人に物事を伝える為の基本ツール:ピラミッドストラクチャー
今回はピラミッドストラクチャ―について。
ピラミッドストラクチャ―とは、プレゼンなどにおいて他者に説明を円滑に理解してもらい、説得に繋げるための思考の型の事です。
マッキンゼーのバーバラミントという方が書かれた、「考える技術、書く技術」という書籍の中で紹介され、多くのビジネスパーソンへ広まっています。
基本的な型はこちらです。
まず結論があり、その結論を支える為の論拠があります。論点が複雑になってくると、この論拠に更に複数の論点が積み重なり、まるでピラミッドのように見えることから「ピラミッドストラクチャー」と呼ばれています。
確かにピラミッドっぽいですね。
例えば、筆者が上場企業であるファーストリテイリングの財務内容を分析し、以下のような感想を持ったとします。
「ファーストリテイリングは『LIFEWEAR』というコンセプトに代表されるようにベーシックでトレンドから離れた服を製作している。また、基本的には製品の開発は非常に長期間であるものの、同じ商品を大量に作ることによって質のいい商品であっても安価に製作する事を可能にしている。しかし、その為近年のファーストリテイリングの商品在庫と商品回転日数は増加の一途をたどっている。柳井会長はそれに満足せず、『情報製造小売業』として、ECやアプリなどの購買情報をビックデータとした製造や物流、販売計画を策定している。これは、欲しい服が欲しい量だけあり、不要なものは作らないという世界観に基づいている。これが成功すれば、不要な商品は減っていく事になる為、今後商品回転日数は減少していく事になるだろう。」
これを、ピラミッド構造に置き換えるとこのようになります。
結論
ファーストリテイリングの重要な指標の一つである在庫回転日数は今後短くなっていくことだろう。
論拠①
というのも、ファーストリテイリングのコンセプトであるLIFEWEARは、ベーシックで高品質な洋服を安価に作るというものである。
その為に、ファーストリテイリングは高品質な原材料を大量に仕入れ、スケールメリットを活かしてコストダウンを図っている。一方で、大量に商品を仕入れるという事は、在庫が増加する事になり、これが現在のファーストリテイリングの在庫回転日数を押し上げている原因である。
論拠②
柳井会長の提唱する情報製造小売業とは、ECやアプリを通した顧客の購買情報を起点に商品の製造や販売計画を策定するというものである。
欲しい服が欲しい量だけあり、不要なものを作らないことを目標にしている。これが成功すると、洋服の製造計画や販売計画が最適化されるため、在庫は適正化されていくだろう。
よって、財務上で見ると、ファーストリテイリングの在庫回転日数は在庫回転日数は今後短くなっていくであろう。
最初の説明に比べるとスッキリ理解しやすくなっているかと思います。ピラミッド構造は、上から下へは「なぜ?に答える」下から上には「だから何?に答える」という構造になっています。
色々なものに応用が効きそうなピラミッドストラクチャー。ぜひ使いこなしたいですね!