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売上を上げる為の分析手法:相関分析

相関分析は、2つの要素の関連性を見る分析の方法です。財務の支援をしている我々のような場合には、売上の予測や固変分解の計算するときに用いますね。

 

最も有名な一例が「気温とビールの販売数量の関係」でしょう。

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気温が上がれば上がるほど、ビールを飲みたくなるのは人情ですよね。

上記は気温とビールの販売数の関係です。これをデータにプロットしていきましょう。

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データをプロットすると、気温が上がれば上がる程、ビールの販売本数も伸びるという、右肩上がりの関係になっている事が分かりますね。これを、「正の相関関係がある」といいます。

 

この場合では、当然気温が低い季節にビールの販売量を増やすためにどんなに試行錯誤をしても限界があると言えます。今のような寒い時期は別の商品を販促した方が効果的でしょうね。

 

更に相関分析はそれ以外の分析にも利用できます。

例えば、ビールと一緒に販売するおつまみの相関関係を自社で分析すれば、最も販売数量が増えるセット商品を見つけることができるかもしれません。

 

この分析は世界中、幅広く利用されています。

 

例えばアマゾンでは、大量のデータを分析し、様々な商品の相関関係を分析し、「Aを買った人はBも購入しています」というレコメンド機能に利用しています。このように、相関分析は、「売上や収益を上げる際の打ち手を決める」という際にも利用しやすいのです。

 

IT系のサービスを提供する企業はこのような分析を多用しており、例えばNETFLIXは数多くの種類のドラマの中からどのような条件であれば視聴が増えるか?という分析を多用していると言われていますし、米国のコーディネートされた服を送っていくというStichFix(以前のZOZOのお任せ定期便のようなサービスです。)は、好みの傾向と購入履歴から、「このような服を送ると購買につながりやすい」という分析を行っています。

 

このように、相関分析とは、成長している企業が数多く行っている分析手法になるのです。

 相関関係が高い商品同士は一緒に販売してもいいでしょうし、例えば広告と販売動向等をしっかりとデータとして捉えていれば、次の打ち手を考えやすくなります。

 

また、店舗型の事業を運営している経営者であれば、「交通量と売上」の関係等も非常に参考になるデータになります。このように、多くのデータの中から、経営判断につながるデータを導き出せるのが相関分析です。

 

不確実な時代だからこそ、意思決定において少しでも精度を上げるためには必須の分析手法ではないでしょうか!