経営を視覚化する思考ツール 散布図:ロジックツリーと組み合わせると効果的
散布図
散布図は利用されている方も多いのではないでしょうか。散布図とは、2つの変数の関係性を見るためのグラフです。
売上を上げるために戦略を立てるところまではロジックツリーで行うことができますが、実際にその打ち手を行った時に、ある程度効果があるかわかったとしたら、勘に頼らない力強い経営ができると思いませんか。
例えば売上アップにおいても、会社規模と売上、広告と売上、値引きと売上…
一口に売上アップといっても、様々な要素が存在します。
例えば、中小企業庁のデータを利用して売上に関係するデータを調べてみましょう。
若干見づらくて申し訳ありませんが、これは中小企業庁の産業別・従業員の規模別に企業の業績を切り出した表です。
これを参考に見てみると、例えば従業員数と売上は非常にきれいに右肩上がりになっています。これを「相関関係がある」といいます。
エクセルでしたら回帰分析も自動で行ってくれます。R^2=0.9928という数字が出てきていますが、これは「ほぼ正確に連動する」という結果です。R^2=0.6以上で強い相関があると言われるそうですので、従業員数と売上はほぼほぼ相関関係にあると言ってもいいでしょう。
同じ要領で広告宣伝費も見てみましょう。
広告宣伝費と売上の相関関係はR^2=0.9938.従業員数より更に強い相関関係になっています。つまり、広告宣伝費は売上を上げるために必要不可欠のものであると言えます。
別の要素で、売上と税金関係を示す租税公課について見てみましょう。
すると、点が大幅にばらけ、R^2=0.02と、ほぼ相関関係がないことが分かります。
売上が多い企業ほど多くの税金を支払うという関係性にはなっていないことがよく分かりますね。このように、散布図を用いると「何となくこうなのではないか」という意思決定ではなく、データに基づいた意思決定を行うことができます。
ロジックツリーによる戦略立案の後、データを揃えられるのであればその戦略と売上の関係をそろえておきましょう。
ロジックツリー→散布図で売上との相関関係を測定するという方法によって、企業の限られたリソースを効果的な打ち手に集中する事ができるようになります。
ロジックツリーから戦略を立案する方法については